車を構成する部品のひとつに、ファンベルトと呼ばれる部品があります。ファンベルトはいわゆる消耗品に分類されるもので、適切な時期に交換をする必要があります。今記事では、ファンベルトの役割と、交換時期や交換費用について解説をしていきましょう。
ファンベルトってどんな部品?
はじめに、ファンベルトとはどういう部品なのか、ということについて確認していきます。ファンベルトはその名の通り、ファンに関係する部品です。
エンジンを冷却するために、エンジンルーム内に配管をめぐらせるような形で冷却水が流れています。その冷却水を冷やす役目を持っているのがラジエターという部品なのですが、そのラジエターに空気を送るために回っているファンがあります。
ファンベルトは、エンジンの動力を使いラジエターの冷却をするファンを回す役割を担っています。ファンベルトはゴム製品の部品のため、車の使用状況などにより劣化する部品です。
ファンベルトの交換時期やタイミングの目安
ファンベルトはどれくらいの期間で劣化し交換時期を迎えるのでしょうか。ここでは、ファンベルトの劣化のサインを確認する方法を、3つの項目に分けて紹介していきます。
キュルキュル音がしたとき
ファンベルトの劣化を感じるサインとして、異音があります。ファンベルトが劣化すると、キュルキュルと高い音がしてきます。この音は劣化の初期状態だとエンジンを始動した直後、いわゆるエンジンが温まる前にのみ発する傾向がありますが、劣化が進行すると常にするようになります。
車内にいても聞こえるくらい大きな音ですので、何事かとびっくりするかもしれません。
目視確認で劣化が確認されたとき
ファンベルトは、ラジエターファンがある車の前方に取り付けられている車が多く、目視で確認をすることが可能です。ファンベルトの点検方法として、「目視点検」と「手で触る点検」がありますが、基本的に目視点検が日常点検の範囲でできる点検とされています。
ファンベルトはゴム製品ですので当然劣化していきます。目視点検をした際に、劣化の症状でもあるベルトの内側にヒビ割れがあると、音が鳴っていなくても交換時期といえます。
前回の交換から一定の期間が経過したとき
前述したとおり、ファンベルトはゴム製品です。エンジンルーム内にあるファンベルトは、ベルトが回ることによる摩耗などの劣化だけでなく、エンジンの熱によっても劣化する部品となります。
キュルキュル音はするが、ヒビ割れなどの部品の劣化がみられない場合であっても、前回の交換(新車購入時)から5万km程度走行している場合は交換時期ともいえます。
ファンベルト自体が切れてしまわなければ問題ないとは言えますが、予防整備ということで事前に交換をしておくと安心でしょう。
ファンベルトのキュルキュル音がする原因は?
ファンベルトがキュルキュルと鳴く音がエンジンルーム内からするのには、原因があります。ここではファンベルトからキュルキュル音がする3つの原因について紹介していきます。
ベルト自体の劣化
第一に考えられるのが、ファンベルトそのものの劣化です。ファンベルトはゴム製品で、かつエンジンルーム内の高熱にさらされる状況下にあり、非常に酷使されています。部品そのものが高性能でも、5万km以上走行している場合は、ひび割れなどが発生しゴムが固くなり音がするようになります。
ベルトが緩んでいる
ファンベルトを取り付ける際にベルトの張力が弱いと、キュルキュル音がする場合があります。また、取り付けの際にしっかりと取り付けていても、ベルトが伸びることで緩み、音がすることもあります。
なお、最近はオートテンショナーがついている場合があり、張力を自動で調整しベルト泣きが発生しにくくもなっています。
ベルトをかけるプーリーの不具合
ベルトそのものが劣化していない場合、ベルトをかけて回すプーリーに不具合がある場合があります。機械部品のため故障することもありますので、まだベルトが新しいのに鳴く場合はプーリーを疑ってみましょう。
ファンベルトの交換費用はどれくらい?
ここではファンベルトの交換費用について解説をしていきます。ベルトの交換費用については車種によってまちまちですが、おおむね2万円程度の費用がかかると見込んでおけば間違いないでしょう。
ファンベルトの交換費用を安くする方法はある?
依頼する先にもよりますが、ファンベルトの交換費用を安くする方法があります。それは「点検と絡める」方法です。任意の6ケ月点検(5,000円程度)をすることで、点検の費用は掛かりますが、工賃が安くなる場合があります。
これはディーラーや整備工場によって方針が変わってくるため、事前に問い合わせるといいでしょう。
ファンベルトの交換はプロにお願いしよう
ファンベルトのキュルキュル音は、聞いていて気持ちのいいものではありません。キュルキュル音がしたらまずはプロの整備士に車を見てもらい、交換をしてもらうことをおすすめします。
キュルキュル音を放置していると、最悪の場合ベルトが切れてしまい他の部分も壊れてしまう可能性もあるため、早目に対処することを心がけてください。