車のオイル交換は、大切なメンテナンスの一つです。オイル交換を適切な頻度で行うことで、車の状態を最適に保つことができます。
ただ、あまり車に乗らない人や車のメンテナンスをお任せしている人にとっては、どのタイミングで行わなければならないのか悩むところかもしれません。とくに車検時にオイル交換をすすめられた時、交換しないと車検に通らないのでは、と思う方もいるでしょう。
この記事では、エンジンオイルの交換と車検の関係について解説していきます。
エンジンオイルの役割をおさらい
エンジンオイルにはさまざまな役割がありますが、基本的には「潤滑」、「洗浄」、「冷却」の3つを覚えておけば良いでしょう。
エンジンは多くの部品で構成されているので、それらが摩耗しないように保護し、さらに高温で動いている機械を冷やします。そしてエンジンが動くことで発生する汚れをきれいにするという重要な役割を担っています。
詳しくは後述しますが、エンジンオイルは走行距離と時間の経過とともに劣化していくので、定期的に交換することが必須です。
オイル交換をしなかったらどうなる？
前段でエンジンオイルが劣化するとお伝えしましたが、実際にオイル交換をしなかったらどのようになっていくのでしょうか。ここでは、エンジンオイルの劣化から起こり得るトラブルなどを紹介します。
エンジンから異音がする
冒頭でエンジンオイルの役割の一つとして潤滑があるとお伝えしましたが、エンジンオイルは時間の経過や使用状況により少しずつ潤滑の性能が弱くなっていきます。その結果、車が動いている時に常に作動しているエンジンからの音が大きくなります。さらにオイルがエンジン全体を保護することで抑えられていた振動がわかりやすくなり、乗り心地の低下にもつながっていきます。
エンジンの性能を十分に発揮できなくなる
劣化したエンジンオイルは、先ほどお伝えした潤滑性能の低下や洗浄によって付いた汚れによりエンジン出力の低下を招くこともあります。エンジン出力が低下すると顕著に表れるのが、坂道でのパワー不足や高速道路を走行時の加速の鈍りといった症状です。
エンジンオイルを交換したばかりの時に体感する「加速の滑らかさ」は、劣化したエンジンオイルから新品のオイルに変えたことによってエンジン全体にオイルが行き渡り、摩擦抵抗が軽減される効果によるものです。
エンジンが壊れてしまう
上記2つの症状は、あくまでも劣化が進んだ時に起こる症状の話です。劣化したエンジンオイルのまま車を使い続けると、最悪の場合はエンジン自体が壊れてしまうかもしれません。
十分な冷却がされなかったり、エンジン内部の保護が十分にされなかったりといったことによる弊害が、少しずつエンジンにダメージを与えていきます。エンジンオイルは車検の有無に関わらず、定期的に交換する必要があります。
エンジンオイルは交換しなくても車検に通る？
実際のところ、エンジンオイルの残量や汚れの状態は車検の検査項目にはありません。極端な話ですが、オイルが入っていると確認できれば車検には問題なく通ります。しかし、前段で説明したようにエンジンオイル自体が劣化していると最悪の場合エンジンが壊れてしまいますので、定期的に交換することをおすすめします。
適切なエンジンオイルの交換頻度は？
それではエンジンオイルの交換の頻度はどれくらいが適切なのか、ということを3つのケースに分けて解説します。いずれかに該当する場合は、その頻度で交換すれば車が長持ちするでしょう。
通勤通学で毎日乗る場合
車のエンジンを定期的に動かしている場合、基本的には1年もしくは1万kmのどちらか早い方を目安としてオイル交換すれば問題ありません。
土日しか乗らない場合
平日は電車等で通勤し、土日にレジャーなどで車を使う人も、基本的には1年もしくは1万kmのどちらか早いタイミングでオイル交換をしましょう。
短時間、短距離の走行が多い場合
気を付けなければならないのが、1回の走行が短時間もしくは短距離が多い場合です。エンジンが完全に温まり切っていない状態で車を使うことを、一般的に「シビアコンディション」と呼び、オイルの劣化が早い状態を指します。この場合は、半年もしくは5,000kmのどちらか早いタイミングでオイル交換をしましょう。
通勤通学で車を毎日使っていても、1回の走行が10km未満、あるいは低速での走行が多い場合はシビアコンディションに該当しますので、早いタイミングでオイル交換をしましょう。
エンジンオイルは車検前に交換すべき？
先ほどお伝えしたタイミングに近い状態であれば、車検と同時に交換するのが時間の節約にもなりますのでおすすめです。
車検の時期にオイル交換のタイミングが来ていない場合は、ずらして交換しても問題ありません。多少早いタイミングでも、車検や点検と同時にオイル交換をしておけば基本的に1年に1回になります。忘れにくくなるのでおすすめです。
オイル交換はどこでするのがおすすめ？
オイル交換は車のメンテナンスができる全てのお店（カーディーラー、自動車整備工場、カー用品店）などでしてもらえます。オイル交換だけでディーラーなどに行くのが面倒だ、という人はガソリンスタンドがおすすめです。ガソリンスタンドには国家資格を有した整備士が在籍しているので、安心して作業を頼めます。
オイル交換は気軽に頼める近くのガソリンスタンドで！
オイル交換は、適切なタイミングで行うことで車の寿命を延ばし快適なカーライフを送れます。ガソリンスタンドなら、ガソリンを入れに行くついでにオイル交換を頼めます。オイル交換だけでも気軽に行けますので、オイル交換の時期がやってきたら一度行ってみてください。
