海が近い沿岸部に住んでいる人だけでなく、レジャーなどで海へ出かける人に気をつけていただきたいのが、塩害です。
皆さんもご存知のとおり海水には塩分が含まれていて、さらにこれを含む潮風は車にとって良くない影響を与えます。これらを塩害と呼ぶのですが、塩害によって車はどうなるのでしょうか。
この記事では、塩害がもたらす影響と塩害から車を守る方法について紹介していきます。
潮風で車がサビる?その原因は?

車にとって塩分は大敵です。海が近い地域で車を使っていると、海水に含まれている塩分が風に乗って潮風となり、飛んできます。その塩分が車に付着することによって、サビの原因となります。車に塩分が付着したまま放置すると、車がサビてしまいます。車のボディは鉄でできているものが大半なので、とてもサビやすいのです。
また車に装着されている部品も鉄製のものが多いです。これらは塗装などで保護されていても、しっかりと対策をしないとサビてしまいます。
塩害が車に与える影響とは

ここからは、潮風をはじめとした塩害が、車に与える影響を確認してきます。前段でサビるとお伝えしましたが、どのようにサビていくのかという点についても解説しましょう。
ボディがサビる
潮風に含まれる塩分がボディに付着すると、サビの発生の原因となります。
車のボディはサビを防ぐ下地塗装の上にボディカラー、色を保護するクリア塗装をされています。しかし、飛び石や走行中にものと接触することによりその塗装が剥がれてしまい、そこからサビていってしまうのです。1mmにも満たない塗装の欠けた箇所から少しずつ広がっていく、ということも珍しくありません。
部品がサビる
車のボディだけでなく、車に取り付けられている部品も塩害によってサビていきます。
サスペンションやブレーキ、これらを支えるメンバーと呼ばれる部品も鉄でできていますので、サビが発生します。これらもボディと同様に、サビを防ぐ塗装が施されていますが走行中は地面からの飛び石などによるダメージも多いため、ボディよりも先にサビてしまうかもしれません。
最終的に致命的になる可能性もある
軽微なサビであれば、サビを削り取ってサビ止め塗料を塗ることで対処できます。しかし、サビが進行してしまうと、部分的な補修では対応できなくなる場合があります。特に沿岸部における塩害の場合、修理を繰り返しても常に潮風にさらされる状況となるため、一度サビが発生するとイタチごっこになってしまうかもしれません。
もしサビの状況が進行してしまうと、最悪の場合ボディや部品が腐ってしまって穴が空いたり部品が壊れてしまったりする危険性も出てきます。そうなってしまうと大掛かりな修理が必要となり、多くの費用が必要となるでしょう。
塩害は海からどの程度の距離で発生するのか?

海に近い地域に住んでいると、塩害が海からどれくらい離れた場所で起こるのか気になるかもしれません。塩害が起こりやすい場所については諸説ありますが、海から半径2km圏内にいると塩害が発生しやすいとされています。
ただ、風の向きや強さによってその距離は大きく変わります。風が強い日だと7km、台風が発生している時期だと10km以内は風に塩分が含まれるとも言われています。この距離については住んでいる地域によって異なるようです。一般的には2km、北海道や日本海側は7km、山に囲まれた瀬戸内海は1kmというのが一定の目安となっています。
塩害から車を守るために2つのコーティングをかけよう

塩害に気をつけようと言われても、海に近い地域に住んでいたら塩害から完全に逃れることはできなくなります。そうなると車に対する対策を施すことで塩害リスクを防げるようになります。ここでは車を保護する2つのコーティングを紹介します。
ボディコーティング
車のコーティングと聞くと、ボディコーティングのイメージが強いかもしれません。ボディを綺麗な状態に保ち洗車をしやすくなるコーティングは、塗装面を塩害から守ってくれます。ボディコーティングは車の塗装面にさらに膜を貼りますので、効果があると言われています。
下回りコーティング
車についている部品が塩害によってサビてしまうことを前述しました。これを防ぐために車の下回りのコーティングをするとサビの発生を防げます。東北や北陸など雪がよく降る地域だと、塩分を噴く融雪剤対策として下回りコーティングをする人が多いです。沿岸部においても下回りコーティングをすることで、効果が期待できます。
車の下回りコーティングはどこでやってもらえる?

ボディのコーティングはコーティング専門店などで施工してもらえますが、下回りの場合はリフトなど車の整備ができる設備が整っていないと施工できないため、できる場所が限られます。例えばカーディーラーや自動車整備工場が挙げられます。
自動車整備ができるガソリンスタンドでも下回りコーティングの施工を受け付けているところもあるので、給油のついでなどで聞いてみると良いでしょう。
海のレジャーに行く前にコーティングをかけておこう!
海の近くに住んでいなくても、海に行く時はボディと下回りにコーティングをかけておくことをおすすめします。コーティングをすることで、車の寿命を延ばすことができます。愛車と楽しいカーライフを送るために、下回りのコーティングも忘れずに施工しましょう。