クラッチの寿命と長持ちさせるためのコツ

マニュアルミッション車にとって無くてはならない存在である部品のクラッチ。あまり知られていないことかもしれませんが、クラッチは永久に使える部品というわけではありません。どういったタイミングで寿命が訪れるのか、交換となった時にどれくらいの費用がかかるのかということは知らない方もいるでしょう。

そこで今記事では、マニュアルミッション車に乗っている方にお伝えしておきたい、クラッチの寿命と交換費用の目安、そしてクラッチを長持ちさせるためのコツについて紹介していきます。

クラッチは消耗する部品である

そもそもクラッチという部品はどのような部品なのかということから、確認してみましょう。

クラッチはエンジンの動力をタイヤに伝えたり、遮断したりする役割を担っている、マニュアルミッション車にとって無くてはならない部品です。発進時やギアを変えるタイミングなどでクラッチペダルを踏んだり離したりといった操作をしますが、クラッチという部品は使っていくうちに摩耗していきます。

クラッチの平均寿命は?

それでは、クラッチはどれくらいの期間使用すると寿命がやってくるのでしょう。

クラッチの寿命は車の車種(駆動方式やエンジンパワーなど)によっても変わってくる部品ですが、「使い方ひとつ」で寿命が大きく変わってくる部品です。平均的な寿命は6万km程度と言われていますが、同じ車であっても使い方次第で2万kmしか持たなかったり、10万km以上も持ったりします。

クラッチが摩耗する原因として挙げられるのは「クラッチに対する負荷のかけ方」となっており、特に半クラッチを使用している時間が長いとクラッチの摩耗は早くなります。

クラッチが劣化したら起こること

クラッチが摩耗して劣化してくると、前兆として「クラッチ滑り」と呼ばれる現象が起こります。クラッチ滑りには段階的な症状があり、第一段階として「半クラッチの時間が長くなる」ということが挙げられます。特に発進時において出始める症状です。

第二段階は走行中に起こる症状で、シフトアップの際にクラッチをつないだはずなのに速度が変わらずエンジンがただ吹け上がります。最終的な段階としては、クラッチをつないだ状態であるにもかかわらずアクセルを踏み込んでも速度が上がらず、エンジンの回転数だけ上がっていきます。ここまでくるとクラッチは寿命となり、発進もままならなくなるのです。

クラッチという部品は歯車同士をかみ合わせるような構造となっているのですが、クラッチが摩耗すると歯車がかみ合いにくくなりクラッチが滑る、という症状が起こってきます。

クラッチを長持ちさせるために行うべきことは

クラッチの摩耗は運転の仕方で最小限に抑えることができます。もっと言えば、クラッチが摩耗しにくくなるような扱い方をすれば、交換するまでのスパンを長くすることができるということです。ここでは、クラッチを長持ちさせるためのコツを2つ紹介します。

半クラッチの時間を短くする

クラッチが摩耗する大きな原因のひとつとして「半クラッチ」が挙げられます。半クラッチは主に発進時に使用することが多いですが、その半クラッチをする時間を短くすればするほどクラッチの消耗を抑えられることができます。

具体的にどのようにすればよいかと言うと、半クラッチ状態でアクセルペダルを必要以上に踏んでエンジンを吹かさないことです。半クラッチとアクセルを踏んでいる時間が多ければ多いほどクラッチの摩耗が進行しやすくなりますので、気をつけましょう。

クラッチに負担をかけない運転をする

クラッチは、走行中のシフトチェンジのタイミングにおいても摩耗するタイミングがあります。ここでもクラッチに負荷をかけない運転を心がけることが重要です。

具体的には、シフトチェンジの際にエンジンの回転数を合わせるということです。加速や減速でギアチェンジする際は、クラッチペダルを離す前にアクセルを少し踏み込んで、エンジン回転数を合わせてからギアをつなぐことでクラッチの摩耗を抑えられます。また、発進時においては2速発進をしないということだけでもクラッチへの負荷を抑えられます。

クラッチ交換の費用は?

クラッチが摩耗したら交換をすればいいのですが、具体的な費用がどれくらいかかるのかということも覚えておいた方が良いでしょう。

クラッチの交換費用は車種によって変わってきますが、おおむね5万円~10万円程度とされています。車の構造によってはエンジンを降ろさないとクラッチ交換ができないものもあり、その場合はエンジン脱着の工賃で数万円かかってきます。

クラッチに異変を感じたらプロに相談しよう

いくら気をつけていても、クラッチは摩耗してくる部品です。発進時などにクラッチ滑りの症状が起きて違和感があったら、まずはプロに相談することをおすすめします。

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