車にとって大切な要素は「走る・曲がる・止まる」の3つの要素。中でも「止まる」の要素を担うブレーキに何らかの不具合が生じてしまったら、思わぬ被害が発生してしまいます。突然ブレーキが効かなくなるということはまずありえませんが、その兆候として効きが悪くなるということは少なからず起こってくるはずです。
そこで今記事では、ブレーキの効きが悪くなる原因とその対処法について確認をしていきます。
ブレーキの効きが悪くなる原因とは
ブレーキの効きが悪くなることに対する原因を突き止めなければなりません。ディスクブレーキの場合はディスクローターをブレーキパッドで挟み込むことで制動するということになりますが、これらのいずれかに不具合が生じた場合にはブレーキの効きが悪くなります。ここではそれぞれの原因について確認をしてきます。
ブレーキパッドの不具合
まずはブレーキパッドについて確認しましょう。ブレーキパッドはディスクローターを挟み込むことで車速を落として車を停めることになりますが、ブレーキをかけるごとにブレーキパッドが摩耗していきます。ブレーキパッドが摩耗していくとブレーキの効きが悪くなっていきます。
ブレーキディスクローターの不具合
ブレーキのディスクローターも使用を重ねていくごとに摩耗していきます。ディスクローターの場合はパッドよりも摩耗のスピードは遅いですが、摩耗以外にもブレーキの効きが悪くなる要因があります。その要因は主に「ディスク面に傷が入る」ことや、「ディスク面が何らかの理由で波打ってしまってパッドが全面に当たらない」ということです。
ブレーキフルードの劣化
パッドとディスクローター以外の部分ではブレーキフルード(オイル)が劣化することによるブレーキの効きの悪さという原因も考えられます。ブレーキフルードに熱が加わるとフルード内に気泡(水分)が発生します。その水分量が増えてくるとブレーキフルードの劣化に繋がっていき、最終的にはブレーキの効きが悪くなっていくのです。
山道を走行中にブレーキの効きが悪くなったらどうする?
走行中にブレーキの効きが悪くなってくるということがあります。この現象は主に市街地の走行ではなくアップダウンの激しい山道を走行しているときに起こることが多く、最悪の場合はブレーキが全く効かなくなるということもあり得ます。ここでは、その原因と対策法について確認していきましょう。
ブレーキの使いすぎによる原因
山道を走行中にブレーキが効かなくなる要因は、単純なことで、「ブレーキの使い過ぎ」です。下り坂で熱がこもり気泡が発生します。気泡が発生すると、ブレーキを踏んでいてもブレーキ本体に力が加わりにくくなり、効きが悪くなります。この現象が、ベーパーロックです。
この現象以外にも、ブレーキディスクとパッドが高熱になることで熱だれを起こしブレーキが効きにくくなるフェードという現象もあります。これらが起こってしまうと非常に危険です。
ブレーキを酷使しないための行うべきことは
ブレーキを酷使しすぎてフェードやベーパーロックを起こさないために行うべきことについて説明します。教習所の学科講習などで聞いたことがあるかもしれませんが、山道の下り坂などで減速するときにはエンジンブレーキを使ってブレーキに負荷をかけすぎない、ということを心がけましょう。
ブレーキの効きが悪くなったら行うべき対処法は
ブレーキの効きが悪くなったときの対処法について確認をしていきます。それぞれの原因をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
ブレーキパッドを新品に交換する
ブレーキパッドは新品状態で10mmですが、残量が2mm以下になると金具が出てきてディスクローターに傷をつける恐れがあります。安心のためにも5mm以下になったら交換をするようにしましょう。
ブレーキフルードを新品に交換する
ブレーキフルードはエンジンオイルなどと同じで劣化します。交換のおすすめのタイミングは2年に1回。車検のタイミングで交換すると安心でしょう。
ブレーキディスクローターを新品に交換する
ブレーキのディスクローターも使用に伴い摩耗していきます。ブレーキパッドほど摩耗はしませんが、点検整備に出した際におすすめされたタイミングでリフレッシュしてあげるのもいいかもしれません。
ブレーキディスクローターを研磨する
ディスクローターは、何らかの理由でディスク面に歪みが出たり波打ったりすることがあります。これが重度だと交換となりますが、軽度の場合は研磨をしてもらうことで表面が滑らかになり、ブレーキの効きが回復します。
ブレーキの効きが悪いと感じたらすぐに診てもらおう
ブレーキの整備はDIYで行うともしもの時に危険ですので、国家資格を有したプロの整備士のいる整備工場やガソリンスタンドに依頼するようにしましょう。