日本で車を運転するにあたり、車検を受けることはドライバーの義務です。車検をしっかり通さないと安全に車を走らせることもできませんし、車検が切れた車に乗っていると罰せられてしまいます。今回は、車検の制度をおさらいするとともに、車検切れの際にはどうするべきなのかを説明します。
日本の車検制度をおさらいしよう

ここでは車検制度について簡単におさらいをしていきます。車検の正式名称は「自動車検査」です。この自動車検査は道路運送車両法という法律に基づいて受ける義務があります。具体的にはどのようなルールなのか確認してみましょう。
車検期間は何年?車種別の違いを確認しよう

車検の期間は車種や目的によって期間が変わります。ここでは主に自家用車にフォーカスをあてて確認していきましょう。
普通車の場合
新車で車を買うと車検の期間は3年間。最初の車検に合格すると、以後2年毎の車検となります。
商用車の場合
商用車として扱われる4ナンバーと1ナンバーの場合は、新車で車を買うと2年間。最初の車検に合格すると、以後は1年毎の車検となります。乗用車より期間が短いので注意しましょう。
軽自動車の場合
軽自動車でも乗用と商用とがありますが、乗用車の場合は普通車と同様で初回3年、以後2年毎の車検となります。商用車の場合はやや特殊で、初回2年以後も2年毎の車検となります。普通商用車と車検年数が異なるので、注意が必要です。
13年経過すると車検期間が1年になる?
現行制度では古い車も新しい車も2年車検なので、13年経ったから1年車検になるということはありません。しかし昔はそのような制度が存在していたため、昔から車に乗っていた方は勘違いをしてしまうこともあるようです。
車検が切れたまま車を走らせているとどうなる?

絶対にあってはいけないことですが、適切な時期に車検を受けずに期限が切れてしまったという人も中にはいます。ここでは車検が切れたまま乗り続けていた場合にどうなるのかを紹介します。
公道を走ると道路運送になる
車検切れの状態で公道を走っていると、前述した道路運送車両法で定められた保安基準に適合していない状態で走行していることになります。この場合はもちろん違反行為となり、捕まってしまいます。
免許の点数にも影響がある
車検切れの状態の車に乗って捕まった場合、免許の点数にも影響があります。この場合の違反点数は6点です。そのためこれまでに全く違反をしていない方でも、一発で免許停止処分を受けてしまいます。
反則金(罰金)も科せられる
交通違反で取り締まりを受けた場合、反則金を払います。しかし車検切れの車に乗って捕まった場合は、それよりも重い罰金が科せられます。具体的には6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるのですが、こちらは後日裁判所で言い渡させることになります。
車検が切れていることに気づいたらどうする?

もし愛車の車検が切れていることに気づいた場合、どうすればいいのでしょうか。ここでは、その対処法を解説します。
そのまま走らせるのはNG
前述した通り、車検切れの車を走らせることは違法行為です。もし壊れていないと判断できてもそのまま乗り続けることは絶対にしてはいけません。
車検が切れた車を整備工場に持っていく方法はある?
車検が切れてしまうとそのままの状態では公道を走行することができません。そのため何らかの方法で整備をしてもらう必要があります。その方法はさまざまですが、整備工場に依頼をして積載車などで運んでもらう方法が一番の確実でしょう。ただし、その場合は通常の車検費用に加えて費用がかかる場合があります。もし依頼するのであれば、対応の可否を含めて一度問い合わせをしてみるとスムーズです。
自動車臨時運行許可申請(仮ナンバー)を取得する
業者を利用せずに個人でも車検切れの車を走らせられる方法があります。それは、臨時運航許可申請をして仮ナンバーを取得することです。これは最寄りの市役所や区役所に行って申請をし、ナンバーを借りるという方法です。必要なものは車検証と期限が有効な自賠責保険、印鑑などです。詳細な申請方法などについては、役所に確認したうえで手続きをしましょう。
車検切れを起こさないためにもプロとの連携をしっかりととろう
車検をうっかり切らしてしまうと、思わぬ費用や手間がかかってしまいます。そうならないためにも、定期的に整備工場を訪れるだけでなく、主治医のようなかかりつけの工場を見つけておくことが大切です。車のことは後回しになってしまいがちですが、信頼できる関係を築けるお店を見つけることも、いいカーライフを送るためのひとつの方法です。車検は買ったお店だけでなく大型のカー用品店やガソリンスタンドでもうけられます。うっかり車検切れにならないためにも、お願いしやすい方法で車検を受けましょう。