大切な愛車だからこそ、長い間乗りたいものです。しかし、年数が経過したいわゆる古い車となると、なにかとメンテナンス費用がかさんでしまいます。
特に2年に1回行う車検ではその傾向が顕著で、新しい車と比較するとその差が明らかになります。なぜ古い車の車検費用が高くなるのか、確認していきましょう。
古い車の車検費用が高い理由
そもそもの話、古い車の車検費用はなぜ高くなってしまうのでしょう。ここでは、その理由を2つの観点から見ていきます。
税金が上がるから
車検には、国が定めている法定費用というものがあります。法定費用は車検時に必ず収めなければならない費用で、その中に自動車重量税があります。自動車重量税は車の重さ0.5t毎に税額が決められており、次の車検までの期間分(乗用車の場合は2年、商用車は1年)まとめて納税しなければなりません。自動車重量税は、車齢が13年と18年を超えると段階的に税額が上がる仕組みです。そのため、古い車の車検費用が高くなる原因となっています。
修理費用が上がるから
もうひとつの原因として挙げられるのが、年数が経過すればするほど故障のリスクが高くなり、車検毎に交換部品が増えることです。車検では国が定めた保安基準を満たしているか、というところを見られますが、保安基準に適合しない部品つまり交換や修理をしなければならない部品があった場合、費用がかかります。また車種によっては古くなると部品の在庫が少なくなることによる部品価格のプレミア化も起こるため、新しい車と比べた時に車検費用が高くなってしまうこともあります。
古い車の車検費用の内訳
車検費用が高くなる、といってもどれくらいをイメージすれば良いのかわからないかもしれません。ここでは2,000ccクラス(車両重量1,600kg)の車が車検を受けると仮定し、どれくらいの車検費用がかかるのかシミュレーションしてみましょう。
法定費用
まずは法定費用です。法定費用は、先ほどの自動車重量税に加え、2年分の自賠責保険、国に払う手数料(印紙代)に分けられます。それぞれの内訳は以下の通りです。
2,000ccクラス(車両重量1,600kg)の場合
自動車重量税 | 32,800円(13年未満)、45,600円(13年超)、50,400円(18年超) |
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自賠責保険料 | 17,650円(2年自家用、本土での使用) |
印紙代 | 1,200円 |
合計 | 51,650円(13年未満)、64,450円(13年超)、69,250円(18年超) |
※2024年11月時点の金額を記載しております。料金が変更となっている場合もありますので、現在の料金は各窓口等にお問い合わせください。
このように、車が古くなればなるほど法定費用が高くなります。
新しい車や燃費の良い車は減税されることもありますので、ここで提示してある金額よりもさらに安くなることがあります。そのため、古い車の車検費用がより高く感じてしまうのかもしれません。
法定外費用
次にかかってくるのが法定外費用です。車検をお店に頼む場合、車の法定整備点検(24ヶ月点検)と各種調整、代行手数料がかかってきます。仮に修理する必要がなく点検整備と車検だけで済んだ場合は、お店によって左右されますが概ね3〜6万円は少なくともかかってくるでしょう。
これに加えて部品交換が必要な修理などが発生するとプラスアルファの費用がかかってくるので、車検に備えた積み立てなどが必要になります。
古い車を大切に乗るためにはどうすればいい?
車検で大きな費用がかかるとはいっても、大切な車あるいは憧れの車であれば長く乗り続けたいものです。そのような場合、どのように愛車と付き合っていけば良いのでしょうか。ここでは3つの観点から見ていきます。
こまめに点検する
車検時に大きな費用をかけないためには、点検をこまめに受けて予防整備をすることが大切です。車検は2年に1回ですが、1年毎の法定点検やそれよりも短い半年点検を受けることで大きな修理や故障に対する対策をすることができます。点検は人間にとっての健康診断と一緒です。古い車だからこそこまめに点検を受けましょう。
予防整備をしっかりとする
点検の結果、壊れてはいないけれど走行距離や年数で交換時期となっている部品が出てきた場合、そこの整備をあらかじめ行うことも重要です。壊れてしまってからでは対応できなくなってしまうこともあるため、予防的な意味での整備を行うことも古い車と付き合ううえで大切な要素となります。
無理な運転をしない
急発進や急ブレーキ、急ハンドルといった車にとって負荷のかかる動作をしないように心がけてください。これは最も大切なことです。古い車だからこそ、乱暴に扱ってはいけないのです。車を壊さないためにもゆったりとした運転スタイルでドライブしましょう。
古い車の車検はどこにお願いすればいい?
古い車は限られた場所でしか車検を受けられない、そう考える方も少なくありません。しかし、他の車と同じように車検を受けることができます。例えばカーディーラーや街の自動車整備工場、カー用品店などでも車検を受けることが可能です。
皆さんが日頃給油や洗車で利用しているガソリンスタンドでも車検を受け付けています。車検費用はお店によって異なるため、相見積もりを取ることをおすすめします。
古い車の車検はガソリンスタンドでも対応できる!
ガソリンスタンドで車検を受けると、ガソリンの値引きなど特典がある場合もあります。車検費用で比較することはもちろんですが、こういった特典がある方がさらにお得に感じられます。古い車に乗っていて車検の時期が近づいている場合は、ガソリンスタンドでの車検も検討してみましょう。