車をきれいに保つためにコーティングをした方が良い、とよく聞きますが、車の塗装をコーティングするとはどういうことなのか疑問に思われる人もいるでしょう。実際のところ、ボディの表面に塗装はされているのである意味で保護されてはいるものです。
この記事では車の塗装とコーティング、それぞれの違いと役割に加えてコーティングにも種類があるということを解説します。
塗装とコーティングは似て非なるもの
大前提として、塗装とコーティングは「ボディを保護する」という面では共通していますが、全く性質が異なります。詳細については後述しますが、塗装は保護する範囲が限定しているということを理解しておけば問題ありません。
また、塗装はボディ部分に限って保護をしますが、コーティングは車全体を保護できるという点でも違いがあります。
塗装とコーティングの大きな違い
車を保護する、という面で同じ意味合いを持つ両者の違いをそれぞれ確認していきます。
塗装の特徴
塗装の最大の目的は「ボディの保護」です。
現在街中を走っている車のボディの大半は、鉄でできています。ご存知の通り、鉄は空気に触れると時間の経過とともに酸化するものです。酸化が進むと錆となり、鉄を劣化させていきます。塗装は、ボディに酸化が起きないように防錆処理をするだけでなく、好みの色に着色することでボディを保護します。
つまり車のボディカラーは人の好みに合わせていることはもちろんですが、ボディ全体を保護しているということにもなるのです。
コーティングの特徴と効果
コーティングは、ボディを保護している塗装を保護する役割を持ちます。
塗装も万能ではなく、紫外線や酸性雨などによって徐々に劣化します。ボディの上にコーティング被膜を形成することで塗装の劣化を防ぐことができます。
また、コーティングにはボディを輝かせたり、水弾きをよくしたりするための成分が含まれています。さらに、ウインドウやホイール、樹脂部品などもコーティングすることができるため、車全体を保護することもできます。
車を“より強力に守る”ならコーティングをかけよう
塗装とコーティングは同じ意味合いを持ってはいますが、その効果が違うということがわかったでしょう。コーティングを施すことで、愛車を購入時の状態から劣化させず、よりしっかりと守ることができます。新しい車でない、クラシックカーのような製造から年数が経過した車でも、これ以上車を劣化させないという意味合いでコーティングをかけることをおすすめします。
コーティングにはどのような種類がある?
実際にコーティングをかけるといってもコーティングには様々な種類があります。まずボディ用のコーティング剤にも「油脂系」と「樹脂系」、「ガラス系」といったように種類が様々あります。
コスト面から比較するとガラス系が最も費用が高く、油脂系が最も安価です。コーティングの持続性という観点から見ていくと、油脂系が最も短くガラス系が最も長いということになります。それぞれのコーティングに違いがありますが、コーティング費用が高くなればなるほど持続力と保護力が高くなる傾向にあると言えるでしょう。
ボディ用のコーティング以外にも注目してみましょう。例えばウインドウコーティングの場合、保護効果に加えて撥水効果が強くなります。ウインドウについた水滴の水はけが良くなりますので、雨天時の運転の負担が軽減されます。最近はゲリラ豪雨なども増えてきていますので、より安心して運転できるでしょう。
次に、ホイールコーティングにも注目してみます。なぜホイールにコーティングをかけるのか疑問に持たれる方もいるでしょう。ホイールは主にブレーキから出るブレーキダストによって汚れます。この汚れを落としやすくするために、コーティングをかけるという意味合いがあります。
最後に樹脂コーティングです。一部の車には未塗装樹脂パーツが使われています。この部品は時間の経過や紫外線などによって白くくすんでいきます。これを防ぐために、コーティングをかけて部品の劣化を防ぐのです。
コーティングはDIYできる?
コーティングはDIYでも可能です。DIYでコーティングをすれば費用は安く抑えることができますが、お店でするコーティングと比較すると仕上がりに違いが出てくるでしょう。また持続力もあまりないので、こまめにコーティングをかける必要があります。とくにワックスなど油脂系のコーティングは費用を抑えて施工できますので、自宅などでまめに洗車をする人に向いていることもあります。逆に洗車する時間をあまり取れないような人は、費用はかかりますがお店で持続性のあるガラス系コーティングを施工してもらうのがおすすめです。
コーティングの相談はガソリンスタンドにしてみよう
一言でコーティングといっても様々な種類があります。ネット上でも情報を集めることができますが、自分の車に合ったコーティングがわからないという方は、お店に相談するのが近道です。
コーティングはディーラーや専門店などで依頼できますが、身近にあるガソリンスタンドでも施工してもらえます。ガソリンを入れに行く時や洗車をしに行くついでに相談してみるのも良いでしょう。