セルフガソリンスタンドでの給油

意外と知らない「セルフガソリンスタンド」のNG行為と安全のための正しい手順について解説

セルフガソリンスタンドは、自由なタイミングで手軽に給油できる便利なサービスとして、多くの方に利用されています。一方で、ガソリンは引火しやすい危険物であり、正しい手順や安全ルールを理解しないまま利用すると、思わぬ事故やトラブルにつながる恐れがあります。

「いつも利用しているから大丈夫」と思っていても、知らず知らずのうちに危険な行動を取っているかもしれません。愛車を良好な状態で維持するためにも、給油時の基本的なルールを知っておくことが大切です。特に、普段は運転する機会が少なく、旅行や帰省などのドライブでセルフガソリンスタンドを利用する予定のある方は、しっかりと理解しておきましょう。

本記事では、セルフガソリンスタンドでのNG行為や正しい手順、安全に給油するためのポイントを分かりやすく解説します。後半では、セルフガソリンスタンドならではのよくある疑問にも答えているので、ぜひ最後まで読んで、快適なカーライフのためにお役立てください。

この記事で分かること
  • セルフガソリンスタンドを利用する際は、火災やガソリンの吹きこぼれを防ぐために正しい手順を守ることが大切
  • エンジンをかけたままの給油や継ぎ足し給油、スマートフォンの操作、火気の使用、小分け給油、子どもによる給油はNG
  • 安全に給油するためには、駐車位置や油種、静電気除去シートの利用、ノズル操作、キャップの閉め方などに気を付ける必要がある

セルフガソリンスタンドは正しく利用することが重要

セルフガソリンスタンドは、自分自身で給油を行うため、正しい知識を身に付けて利用することが大切です。スタッフの監視や安全装置は整備されていますが、危険物を扱う以上、最後に安全を左右するのは利用者自身の行動です。

ほんの小さな油断が、火災やガソリンの吹きこぼれといった事故につながる恐れもあります。まずは、ガソリンの危険な性質や実際に起こりうる事故について理解を深め、安全への意識を高めていきましょう。

ガソリンの危険な性質とは?

ガソリンは引火点が約マイナス40℃と非常に低く、常温でも気化して可燃性蒸気を発生させる性質を持っています。そのため、夏場だけではなく冬場でも可燃性のガスが発生しています。さらに注意が必要なのは、このガスが空気よりも重く、地面付近や車の足元など、低い場所にたまりやすいという点です。

目には見えませんが、車の給油口の周囲には、常に可燃性蒸気が漂っていると考えてください。この状態で、静電気の火花や近くの火気が加われば、火災や爆発につながる恐れがあります。

「火が見えないから大丈夫」という油断は禁物です。ガソリンの危険な性質をしっかりと理解し、一つひとつ正しい手順を守ることが、何よりの事故防止につながります。

※参考:総務省消防庁.「消防危第1号 指定数量未満のガソリン等の危険物の適正な取り扱いについて」.https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/post1202/ ,(2000-01-11).

セルフガソリンスタンドにおける火災事故の実態

セルフガソリンスタンドでは、利用者自身が給油を行うため、些細なミスが火災事故につながることがあります。平成19年には、セルフガソリンスタンドの火災事故発生割合が、フルサービスのガソリンスタンドに比べて高いことから、危険物の規制に関する規則が一部改正される事態にもなりました。

実際に、車の給油口付近で発生した静電気が引火原因と考えられる火災事故も報告されています。「火が見えていないから心配ない」と考えるのは危険です。

セルフガソリンスタンドでは、常に危険物を扱っているという意識を持ち、基本的なルールを徹底することが事故防止につながります。

※参考:総務省消防庁 危険物保安室.「セルフスタンドにおける安全な給油について」.https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0112_34.pdf ,(参照2026-07-07).

※参考:総務省消防庁.「危険物の規制に関する規則等の一部改正」.https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/h19/190920-1/190921-1houdou.pdf ,(2000-09-21).

絶対NG! セルフガソリンスタンドでやってはいけない6つの行為

セルフガソリンスタンドでは、安全に給油するために避けなければならない行動があります。何気ないことでも重大な事故につながる恐れがあるため、必ずルールを守って利用しましょう。ここでは、特に注意したい6つの事項について紹介します。

1. エンジンをかけたままの給油

給油を始める際は、必ずエンジンを停止しましょう。エンジンが動いていると電装品から微小な火花が飛び、周囲に漂うガソリン蒸気に引火して火災を引き起こす危険があります。これは消防法(危険物の規制に関する政令)でも義務付けられている重要なルールです。「少しの間だけ」という自己判断は避け、確実に停止してください。

特にハイブリッド車や電気自動車は走行音が静かなため、エンジンやシステムが停止していると思い込みやすい点に注意が必要です。給油前にはメーターパネルを確認し、パワースイッチをOFFにしていることを確かめましょう。

安全性を高めるために、窓やドアを確実に閉め、スマートキーを携帯した状態で給油を始めるのもおすすめです。

※参考:e-Gov 法令検索.「危険物の規制に関する政令」”第27条の6”.https://laws.e-gov.go.jp/law/334CO0000000306 ,(参照2026-07-07).

2. 自動停止後の継ぎ足し給油・少量給油

詳しくは後述しますが、給油の際は、燃料タンクがいっぱいになるとノズルが自動停止します(オートストップ機能)。停止した際は、その時点で給油を完了してください。停止後に無理やり給油を続ける「継ぎ足し給油」は、ガソリンの吹きこぼれを招く危険な行為です。

ガソリンには気温が上昇すると膨張する性質があるため、タンク内に余裕がないと、膨張したガソリンが車の給油口からあふれ出す恐れがあります。これは火災の危険性を高めるだけではなく、愛車の塗装を傷める原因にもなり得ます。

また給油レバーをわずかに引くような「少量給油」も、オートストップ機能が正常に作動しない恐れがあり危険です。

3. 給油中のスマートフォン操作

給油中はスマートフォンの操作を控え、給油作業に集中しましょう。画面に気を取られていると、ノズルの状態や車の給油口の様子への注意が散漫になります。

注意力が低下すると、ガソリンの吹きこぼれやノズルの抜け落ちなどのトラブルが起こる可能性があります。安全装置があるからといって、目を離してよいわけではありません。

キャッシュレス決済やアプリ操作が必要な場合も、作業が終わってからスマートフォンに触れるよう心掛けましょう。

4. 火気(電子タバコ含む)の使用

消防法(危険物の規制に関する政令)により、セルフガソリンスタンドでは、給油中の喫煙やライターの使用が禁止されています。先述の通りガソリンは非常に引火しやすく、可燃性蒸気が、目に見えないまま車の給油口周辺や足元に広がっている可能性があります。

紙タバコはもちろん、電子タバコも使用してはいけません。電子タバコの中には燃焼しない製品もありますが、内部の電気回路で微小な火花が発生する可能性があります。そのため、引火源となる危険性を完全に否定することはできません。喫煙する場合は、必ず指定された喫煙場所を利用しましょう。

※参考:e-Gov 法令検索.「危険物の規制に関する政令」”第24条の2”.https://laws.e-gov.go.jp/law/334CO0000000306 ,(参照2026-07-07).

5. 携行缶などへの小分け給油

セルフガソリンスタンドで、利用者自身が携行缶などの容器へガソリンを給油することは、消防法の下位法令(危険物の規制に関する規則)によって認められていません。

農業機械や発電機などのためにガソリンが必要な場合でも、自分で携行缶へ給油することは避けてください。携行缶への給油が必要な際は、必ず店舗のスタッフへ申し出て、対応を依頼しましょう。

なお2020年2月に同法令は改正され、ガソリンを携行缶で購入する際の本人確認や使用目的の確認、販売記録の作成が義務付けられました。これはガソリンの不適切な使用を防止するための制度です。

法律で定められたルールを守ることが、安全な利用につながります。自己判断で給油を行わないよう注意してください。

※参考:e-Gov 法令検索.「危険物の規制に関する規則」”第28条の2の4”および”第39条3の2”.https://laws.e-gov.go.jp/law/334M50000002055#Mp-Ch_5-At_39_3_2 ,(参照2026-07-07).

6. 子どもによる給油

多くのセルフガソリンスタンドは、子どもによる給油を厳しく制限しています。給油は危険物を扱う作業のため「お手伝い」のつもりでも、行わせてはいけません

また大人が給油する際に、子どもを給油設備の近くで遊ばせたり、ノズルに触れさせたりすることは避けましょう。給油中は車内で待機させ、ドアを閉めておくと安心です。

子どもは危険性を十分に理解できず、とっさの行動を取ることがあります。保護者が安全に配慮し、目を離さず、給油設備へ近づかせないことが事故防止につながります。

事故を防ぐ正しい給油の手順

事故を防ぐ正しい手順

セルフガソリンスタンドでは、決められた手順に沿って給油することで、事故やトラブルを防ぎやすくなります。ここで、出光のセルフサービスステーションでの基本的な手順を紹介します。

  1. 給油機の前に停車し、エンジンを切る
  2. タッチパネルで支払方法と油種を選ぶ
  3. 静電気除去シートに触れる
  4. 給油する
  5. レシートを受け取る
  6. つり銭を受け取る
  7. 安全を確認して出車する

給油をする際は、まず、車の給油口を開けて指定の油種のノズルを持ち、ノズル先端からガソリンが垂れていないことを確認しましょう。ノズルを給油口に差し込み、レバーを引いて給油を開始します。給油が自動停止したらレバーから指を離し、ノズルを元の位置に戻してください。その後は給油口のキャップを閉め、カバーを確実に閉めます。

全ての手順は、安全に給油するために欠かせません。普段運転する機会が少ない方はもちろん、セルフ給油に慣れている方も、毎回同じ手順で落ち着いて給油しましょう。

※参考:idemitsu.「セルフサービスステーションの使い方 【前払い】で入れる」. https://www.idemitsu.com/jp/apollostation/self_ss/use.html ,(参照2026-07-07).

セルフガソリンスタンドで給油をする際のポイント

セルフガソリンスタンド

基本的な手順を知っていても、操作方法を誤ると事故や車の故障につながる恐れがあります。続いては、安全にセルフ給油を行うために、特に意識したいポイントを紹介します。

車種ごとの給油口の位置に合わせて駐車をする

ガソリンスタンドでは、先に車の給油口の位置を確認してから駐車しましょう。車種によって給油口は左右どちらかに設けられているため、位置を間違えると、ノズルが届かなかったり停め直しが必要になったりします

給油口の位置は、車内のメーターパネルの燃料計に表示される、給油機マークの横にある矢印で確認できるのが一般的です。矢印が左なら左側、右なら右側に給油口があります。レンタカーや家族の車など、普段乗り慣れていない車では特に確認が大切です。

なお、スムーズに給油するには、給油設備と車体が平行になるよう駐車するとよいです。

適切な油種(レギュラー・ハイオク・軽油)とノズルカラーを確認する

給油前には、車に指定されている油種を必ず確認してください。セルフガソリンスタンドでは、ノズルの色が全国共通のルールで以下のように統一されています。

  • レギュラー:赤
  • ハイオク:黄
  • 軽油:緑

異なる燃料を入れると、エンジンの不調や故障につながる恐れがあります。色だけではなく、ノズルや給油機に表示されている油種名も確認すると安心です。

また「軽自動車だから軽油」と勘違いするケースもありますが、軽自動車の多くは、レギュラーガソリンで動くガソリン車です。車検証や給油口のラベルなどをしっかりと確認してから、適合する油種を選択し、給油しましょう。

※参考:総務省消防庁.「製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件の 運用について 」.https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/190827_kiho_119.pdf ,(2019-08-27).

【重要】静電気除去シートにタッチして体から静電気を逃がす

給油を始める前には、必ず静電気除去シートに触れ、体にたまった静電気を逃がしてください。人体から発生するわずかな静電気でも、可燃性蒸気に引火する恐れがあります。

特に冬場など、空気が乾燥する季節は静電気が発生しやすくなるため、一層の注意が必要です。給油キャップを開ける前に静電気を除去することが、安全なセルフ給油につながります。

万が一、静電気除去シートが設置されていない場合は、車の金属部分に触れて静電気を逃がしてから作業を始めましょう。わずか数秒の行動が、火災事故を防ぐ重要な安全対策となります。

給油時はノズルを車の給油口へ真っすぐ奥まで差し込む

給油を始める際は、ノズルを車の給油口の奥まで真っすぐ差し込みましょう。ノズルの差し込みが浅かったり、斜めに差し込んでいたりすると、ガソリンが漏れる恐れや、オートストップ機能が正常に作動しない恐れがあります

オートストップ機能は、ノズル先端のセンサーが燃料の液面を検知すると、給油が自動停止する仕組みです。しかし、ノズルが正しい位置まで差し込まれていなければ、センサーが正常に働かない場合があります。給油口の奥まで確実に差し込んでから、レバーを握るようにしてください。

給油キャップはしっかりと確実に閉める

給油が終わったら、給油キャップを確実に閉めていることを確認してください。キャップが緩んだまま走行すると、ガソリンや可燃性蒸気が漏れる原因となり、大変危険です。

多くの車では、給油キャップを「カチッ」と音がするまで回すことで、正しく閉まったかを確認できます。車種によって閉め方は異なりますが、車の取扱説明書に記載された方法で確実に閉めましょう。

セルフガソリンスタンドに関するよくある疑問

Q&A

最後に、セルフガソリンスタンドに関するよくある疑問を、Q&A形式で紹介します。事前に対応方法を知っておけば、万が一の際にも落ち着いて行動できるでしょう。

Q.手持ちの現金が少ないときでも利用できる?

A.利用できるケースが多いです。多くのセルフガソリンスタンドでは、金額を指定して給油することが可能です。例えば「2,000円」や「3,000円」などと設定すると、指定した金額に達した時点で、自動的に給油が終了します。

実際の操作方法は店舗によって異なるため、画面の案内に従って選択してください。

Q.給油が途中で止まってしまったらどうしたらよい?

A.自分で何度もレバーを引かず、インターホンなどでスタッフへ連絡し、指示を受けてください

給油が途中で止まる原因には、ノズルの差し込み不足や車両側の構造問題、機器の状態の問題などが考えられます。原因が分からないまま何度もレバーを引いて給油を続けると、ガソリンが吹きこぼれる恐れがあります。

Q.万が一ガソリンを吹きこぼしてしまったらどうすべき?

A.すぐにスタッフへ連絡してください。放置してそのまま走り出すのではなく、スタッフの指示に従い、タオルなどで拭き取りを行う必要があります。

車に付着したガソリンを放置すると、塗装や樹脂部品へ悪影響を及ぼす恐れがあります。また可燃性の蒸気が残るため、安全面からも早急な対応が必要です。

セルフガソリンスタンドの正しい手順を知って安全な給油を

セルフガソリンスタンドは、私たちのカーライフを便利にしてくれる身近な存在です。しかし、ガソリンという危険物を扱う場所であることを忘れてはなりません。エンジン停止や静電気の除去といった小さな心がけは、火災事故や思わぬトラブルを防ぐための大切なルールです。

本記事で紹介した注意点や手順を改めて確認し、次回の給油から一つずつ実践してみてください。ルールを守り、常に安全への意識を持つことが大切です。正しく給油を行い、安心できる状態でドライブを楽しみましょう。

2021年4月に発足した「apollostation」は、単なる給油のための場所ではなく、エネルギー・モビリティ・コミュニティの未来を見つめ、あなたのカーライフを支える「ライフパートナー」を目指しています。

セルフサービスを提供している店舗がある他、カーメンテナンスや車検を受けることも可能です。ぜひお近くの店舗へお立ち寄りください。

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