車を維持する上で大切なのは、メンテナンスです。車の説明書には、オイル交換の目安などが記載されています。そこに、「シビアコンディション」という聞き慣れない言葉が書かれているのを見たことがある人もいるでしょう。車がシビアコンディションに該当すると、オイル交換の頻度が短くなり、まめにメンテナンスをする必要が出てきます。
いったいシビアコンディションとはどういう状態なのか、シビアコンディションになったらどうすれば良いのか解説します。
車のシビアコンディションとは

シビアコンディションは、その名の通り「過酷な状態」で車を使っていることを指します。どのような状況で車を使うとシビアコンディションに該当するのか、見当がつかないという人もいるでしょう。過酷という言葉があるので、相当無理な状態で車を使っている状態をイメージされるかもしれません。しかし、実際は普通に車を使っていてもシビアコンディションに該当する可能性があります。
車がシビアコンディションに該当すると、車が通常よりも故障しやすい状態にあると理解しておくと良いでしょう。
シビアコンディションに該当する条件とは

それでは、車をどのように使うとシビアコンディションに該当するのか解説していきます。ここで紹介する5つの条件のうち、いずれかの状態が全体の30%以上に当てはまると、シビアコンディションと判断されます。
短時間、短距離の走行
いわゆる「チョイ乗り」が多いことを指します。例えば近所のスーパーに買い物に行く、家族を駅まで送ったり迎えに行ったりする、といった使い方です。具体的な数を示すと、30分以内、8km以内の走行が当てはまります。
低速走行が多い
前述のチョイ乗りにも当てはまりますが、30分以上あるいは8km以上の走行であっても、車のスピードがあまり出ていない状態だと車にとっていい状態とは言えません。車はガソリンを燃焼して走行していますが、その際に発生するカーボン(燃えカス)がエンジン内に堆積し、車の調子が悪くなることがあります。時速30km以下の速度で走る時間が長い場合は、要注意です。
発進、停止の多い走行
市街地での信号待ちなど、車の停止と発進が繰り返されている状態もシビアコンディションに該当していきます。都市部で車を使うことが多い場合、また通勤などで渋滞する道路をよく走る場合は車に大きな負荷がかかってしまいます。
山道の走行が多い
エンジンや足回りに高い負荷がかかる山道をよく走る人は、通常よりも高い負荷を車にかけています。山道の上り下りでブレーキを多用するような走りをしていると、車にとってよくないとも言われています。
悪路を走行する
デコボコした道や砂利道、未舗装の道路をよく走っている場合もシビアコンディションに該当する可能性が高いです。走行中の振動はもちろん、砂埃が上がるような道だと足回りだけでなくエンジンにもよくありません。
シビアコンディションになると車にどのような影響が出る?

前段で紹介したシビアコンディションになる車の使い方をした場合、どのような影響が愛車に起こるのでしょう。ここでは、起こり得る2つの影響を紹介します。
エンジンオイルの劣化が早まる
エンジンオイルは車にとって血液のような存在ですが、シビアコンディションではその劣化が通常よりも早く進みます。特にエンジンの始動時間が短く走行距離が少ない場合、エンジンオイルが傷みやすいと言われています。エンジンオイルが劣化すると燃費やエンジン出力の低下だけでなく、最悪の場合エンジンが故障してしまうかもしれません。
故障のリスクが高まる
エンジンだけに限らず、車の足回りやブレーキ周りにも悪い影響が出やすいです。特に山道や悪路走行が多い場合は故障リスクが高まっていくでしょう。
シビアコンディションにならないようにはどうすれば良い?

シビアコンディションにならないためには、当たり前ですがそれに該当する車の使い方を極力減らすのが良いでしょう。買い物などでチョイ乗りが多い場合は車を使う頻度を減らす、近場であれば歩きや自転車を使うなど代替手段を使うのも一つの方法です。
また、急発進や急ハンドル、急ブレーキといった動作を極力やらないのも効果的です。車に負担をかけない運転を心がけましょう。
シビアコンディションになった車との付き合い方は?

対策をしたとしても、シビアコンディションになってしまうこともあり得ます。そうなった時の車との付き合い方について考えていきましょう。
こまめなオイル交換をしよう
シビアコンディションになって最も怖いのは故障です。特にエンジン周りの故障は高額な修理費になる可能性が高いので、それを防ぐために最低限オイル交換はこまめにしましょう。通常の車の使い方であれば1年に1回が推奨回数ですが、半年に1回のオイル交換頻度にすることをお勧めします。
オイル交換の頻度を増やすことで維持費は上がるものの、長期的に見ればエンジンの故障を防ぎ、結果的にコストを抑えられます。
点検整備をしっかりとしよう
毎年1回の法定点検は当然ながら、シビアコンディションに該当する場合は半年に1回はプロの整備士に点検を依頼するのが理想的です。定期的に車の点検を行うことでいち早く故障に気づけるほか、予防整備をすることで高額な出費を避けられるようになります。
車の点検整備はどこに頼めばいい?

シビアコンディションに該当していてもいなくても、点検整備はプロの整備士に頼むのが大切です。カーディーラーや自動車整備工場など、専門の業者に依頼するのも一つの方法です。
また皆さんが日頃利用しているガソリンスタンドには資格を持った整備士が在籍していますし、整備のための設備が充実しています。ふとした時に車の点検整備を頼めるので、安心感もあるでしょう。
車のシビアコンディションに該当してもこまめなメンテナンスを忘れずに!
車は使い方によっては、シビアコンディションに該当することがあります。しかし、シビアコンディションに該当するからといって、すぐに壊れるわけではありません。定期的な点検整備とこまめなメンテナンスを行うことで、長い期間愛車に乗ることができます。車のことで困ったら、お近くのガソリンスタンドで相談すると良いでしょう。