タイヤ交換を自分でDIYしようとしたとき、可能な限り楽にやりたいと思うでしょう。タイヤ交換の中でも重労働なのが、「タイヤの脱着」です。ナットを締めたり緩めたりするのに力が必要となります。その作業を電動工具でできれば楽なのですが、それをインパクトドライバーでできないか考える人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、インパクトドライバーでタイヤ交換ができるのか、また電動工具を使う際の注意点などについても解説します。
そもそもインパクトドライバーってなに?
インパクトドライバーと聞くとピンとこない人もいるかと思いますので、その仕組みを紹介します。インパクトドライバーは、打撃力(インパクト)を加えながらネジを回す電動工具のことを指します。いわゆる木材などに、ネジを楽に打ち込むことができるものです。
先端の部品(ビット)を付け替えることで、プラス・マイナス・ドリルなど、さまざまな用途に使えます。先端をソケットにすればボルトやナットを締めたり緩めたりできるため、万能なDIY工具として知られています。
さらに、パワーのあるインパクトドライバーであれば、タイヤ交換をすることが可能です。
インパクトドライバーとインパクトレンチの違い
インパクトドライバーと似たような名称である、インパクトレンチと呼ばれる工具を知っているでしょうか。インパクトレンチもまた、インパクトドライバーと同様に先端のビットを付け替えることでいろいろな作業ができるようになります。ここではインパクトドライバーとインパクトレンチの違いについて解説します。
インパクトドライバーの特徴
インパクトドライバーの主な用途は、ネジを締め付けて固定したり緩めて外したりする時に使用します。木材など比較的柔らかい素材に対して使うことが多い道具です。
インパクトレンチの特徴
インパクトレンチはインパクトドライバーと同様にネジを締めたり緩めたりすることに使う道具ですが、大きいネジやボルト、ナットに対した作業に適しています。インパクトドライバーと比較した場合、締めたり緩めたりする際に出る力が大きくなります。
(結論)インパクトレンチの方がタイヤ交換には適している
インパクトドライバーは、基本的にネジ向きの道具です。しかし、ナットやボルトを締めたり緩めたりすることもできます。やや非力に感じる場面が出てくる場合もありますが、インパクトドライバーでもタイヤ交換は可能です。
一方でインパクトレンチは力が強いので、タイヤを締め付けているボルトの脱着に向いています。タイヤ交換にはインパクトレンチの方が適しています。
インパクトドライバーでタイヤ交換をする際の注意点を紹介
インパクトドライバーでタイヤを交換する際には、いくつか注意点があります。ここでは5つの注意点を紹介していきます。
サイズの合ったソケットを用意する
タイヤのナットに合ったソケットを用意しましょう。小さすぎると、締めることも緩めることもできません。逆に大きすぎても同様です。一般的なタイヤのナットは17・19・21mmのいずれかのソケットがぴったりですので、愛車に合ったものを選びましょう。
パワーは徐々に上げていく
インパクトドライバーやインパクトレンチには、パワー調節ダイヤルがあります。これを使うことで、力を弱めたり強くしたりすることができます。いきなりフルパワーでやると車のボルトを傷めてしまう危険性がありますので、最初は弱めのパワーで脱着を試み、次第に上げていくようにしましょう。
ナットを目一杯締めない
タイヤのボルトを締める際、強くしすぎるとナットやボルトが壊れてしまうこともあります。インパクトドライバーで完璧に締めようとしないで、後述のトルクレンチを使いましょう。
トルクレンチやクロスレンチを使う
車の説明書に、タイヤ交換時の注意点として「適正トルク」と呼ばれる項目があります。これは「この力でナットを締めてください」というものです。適正トルクは、トルクレンチを使うことで正確な数値で締めることができます。インパクトドライバーでナットを締めた後に、適正トルクでしまっているかトルクレンチを使って確認しましょう。
また、強く閉まりすぎているナットが、インパクトドライバーで緩まないこともあります。そういった際は手作業で行う必要がありますので、クロスレンチがあると便利です。
ホイールが傷つかないように注意
インパクトドライバーを両手で持って作業をしないと、インパクトドライバーが動く力でホイールに傷をつけてしまう可能性があります。右手でインパクトドライバーを操作する場合は、左手をソケットに添えて作業するようにしましょう。
タイヤ交換に使えるインパクトドライバーの選び方は?
新しくインパクトドライバーを買うなら、タイヤ交換に使えるものを買いましょう。ここでは、タイヤ交換にも使うことができるインパクトドライバーの選び方を紹介します。
最大トルクを確認する
タイヤ交換をするためには、力のあるインパクトドライバーを買いましょう。普通車のタイヤ交換をするなら最大トルク100~120N・mあるものを選びましょう。
バッテリー種類を確認する
インパクトドライバーのバッテリーは、さまざまな種類があります。タイヤ交換用のインパクトドライバーであれば、電圧には気をつけたいところです。
インパクトドライバーのバッテリーは、14.4Vか18Vが主流です。ただし、14.4Vは家庭でのDIY用で力不足なので、18Vを選ぶようにしましょう。
軽いものを選ぶ
ずっと持ち続けることになりますので、できるだけ軽いものを選びましょう。インパクトドライバーの重量の主流は1〜2kgです。これより重いものだと作業中の負担が増えますので、重くても2kg以内のものを選びましょう。
タイヤ交換はガソリンスタンドに頼むと楽チン!
インパクトドライバーを買えば、タイヤ交換だけでなく自宅でのDIYにも活躍します。しかし購入に費用もかかりますし、道具を揃えたとしても、タイヤ交換の作業が負担に感じる人もいるでしょう。
そんな時に便利なのが、ガソリンスタンドです。近くのガソリンスタンドへタイヤを持ち込めば、交換をしてもらえます。タイヤ交換を検討しているなら、ガソリンスタンドも選択肢に入れてみてください。