タイヤは車の中で唯一地面と接している、いわば命綱のような役割を担っている部品です。タイヤは走れば走るほど摩耗しますが、年数が経過しても劣化するため定期的な交換が必要な部位でもあります。
実は、タイヤの寿命を伸ばすためには空気圧の管理がとても大切です。この記事では、タイヤの空気圧の基礎知識を紹介し、空気圧管理をすることの大切さも解説します。
タイヤの寿命は空気圧管理によって左右される
冒頭でも述べた通り、タイヤにとって空気圧の管理はとても大切です。なぜなら、タイヤの空気圧が適切に入っていなければ、タイヤの寿命を縮めるだけでなく、車そのものの乗り心地や性能を大きく変えてしまう恐れがあるからです。タイヤの空気圧管理をしっかりとすればお財布に優しいだけでなく、みなさんのカーライフをより豊かにするということにもつながっていくでしょう。
タイヤの空気圧を適切にすることで得られる効果
それでは、タイヤの空気圧を適切にするとどのような効果が得られるのか紹介します。ここでは3つの観点からその理由を見ていきましょう。
乗り心地
タイヤの空気圧が高い、あるいは低いと車の乗り心地に直結します。空気圧が高すぎるとタイヤの路面からの反発が強くなるため、ゴツゴツとした乗り心地になります。逆に空気圧が低ければいいのでは、と思われるかもしれませんが、低ければ低いでタイヤがグニャグニャした感じになってしまい酔いやすくなってしまうこともあり得ます。
タイヤの偏摩耗を防ぐ
タイヤの空気圧について、風船で例えるとわかりやすいかもしれません。空気圧が高ければ風船はパンパンに膨らんでいるため地面に接した時の面積が小さくなります。逆に空気圧が低いと、地面に接する面積が増えてしまいます。これをタイヤに置き換えてみると、空気圧が高いとタイヤの中心部分だけ減りやすくなってしまい、空気圧が低いとタイヤのショルダーがダメージを負って、最悪の場合タイヤがバーストしてしまうかもしれません。そのため、メーカーが指定している空気圧に指定する必要があるのです。
タイヤの劣化速度を適切に保つ
タイヤの中には重量を支えるためにゴムの強度に加えてワイヤーが入っています。空気圧が少ない状態で走行をしてしまうと、内部のワイヤーがダメージを受ける可能性があります。
また、走行している時もタイヤに与えるダメージが変わってきてしまいますから、定期的に空気圧のチェックをして管理することでタイヤの寿命を縮めずに済み、お財布にも優しくなるでしょう。
タイヤ空気圧のチェック方法は?
それでは、タイヤの空気圧を調整するにはどのようにすれば良いのか、ここで順を追って説明します。自宅でできる作業もあればお店でしかできないこともありますので、状況に応じて作業するようにしましょう。
適切な空気圧はドアを開ければわかる
まず、みなさんの車にとって適切な空気圧はどれくらいであるのか、ということを確認しましょう。多くの車は運転席ドアを開けるとボディ側にステッカーが貼られており、そこに空気圧の適切な数値が記載されています。
車種によって複数の数値が記載されていることがあります。これはグレード別にタイヤサイズが違う場合や、貨物車で荷物を積む/積まないによって適切な値が変わるためです。タイヤのサイズがわからない場合、タイヤの側面にある「195/65 R15」といった刻印を探しましょう。
エアゲージを使って点検する
数値がわかったら空気圧の量を見ましょう。自宅でチェックする場合は、カー用品店やインターネットショッピングでエアゲージを買ってください。数値を見るだけのものであれば1000円程度で購入できます。タイヤのエアバルブキャップを外して数値を確認しましょう。
空気が足りない or 多い時は調節する
エアゲージで空気圧を見て数値が適切でない場合は、空気を入れたり抜いたりします。自宅で必要な道具を揃えにくい場合は、お店で空気圧の調整を依頼しましょう。
お店によっては、自分で調節できるように空気入れを貸し出しているところもあります。最初からそのような場所に行ってチェックすれば、二度手間になりません。カー用品店やガソリンスタンドでそのような設備がありますので、行ってみてください。
タイヤの空気圧は気温の変化で変わる
実はタイヤに入っている空気は、気温によって変化します。例えば気温が10℃変化すると10kPa変わると言われています。暖かい時期に規定値の280kPaに合わせていた場合、涼しくなると270kPaになってしまう計算です。さらに空気は自然と抜けていき1ヶ月で10%程度下がってしまうので、こまめな空気圧チェックが大切となります。
ちなみに、空気圧の変動が少ない窒素を充填することで手間が省けるかもしれません。有料にはなりますが対応しているお店で確認してもらうのも良いでしょう。最近はタイヤ専門店やディーラーだけでなく、ガソリンスタンドでも窒素対応をしているところが増えてきています。
タイヤの空気圧チェックはガソリンスタンドで!
タイヤの空気圧チェックは意外と後回しにしてしまいがちです。空気圧が適切でないと弊害が出てきますので、こまめな点検をおすすめします。
ガソリンを1ヶ月に1回のペースで入れる方なら、そのタイミングにガソリンスタンドでチェックしてもらうと良いでしょう。セルフ式の場合は自分ですることもできますし、スタッフが多い時間帯はお願いすることできます。特にロングドライブに行く前などは、必ずチェックするようにしましょう。